まれびと

心はよく磨かれたステンレスみたいで
現実は音もなく滑り落ちていく

失うことに慣れ
失うことを恐れ

人にも自分にも
深入りしないように

大切なものを持たないように
曖昧にやり過ごしてきたのに

それでいいと思っていたのに

なぜこれほどまでに
心の底が揺さぶられてしまうんだろう

ねえ――あなた達は誰?
あなたは――誰?

いたずらな笑みを浮かべたその瞳の奥が
苦しげに揺れて見えるのは気のせい?

あなた達が目の前に現れたあの瞬間から
心の底の底でなにかが目覚めようとしている

不安なのにあたたかくて
怖いのに心地よくて

頼り過ぎないように
近づき過ぎないように

今日も心の中で問いかけている


あなたは――誰?


-彩-

月明かりの下で

出逢うはずはなかった
出逢わずにすめばいいと
そう願っていた

唯一の希望は
最後の選択は
君を打ちのめす

わかっていた
わかっていたのに

湧き上がってくるのは後悔ばかり

あの時もっと早く助けられていたなら
なにかが変わっていたのだろうか

いくら悔やんだところで取り返しなどつかないと
それもわかっているんだ

どうすれば君を守れるのだろう

なにも知らない君を

あとどれほど傷つけなければならないのだろう

なにひとつ救えずに
最後の希望を君に託して

君の涙をこの胸に刻む

後戻りは出来ないと自分に言い聞かせながら

君の未来を守れますようにと
物言わぬ月に祈りながら


-愁夜-




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